井波慶州作 鋳銅金銀象嵌花器

東京都荒川区のお客様から、井波慶州作 鋳銅金銀象嵌花器をお買い取りました。

井波慶州は、日本工芸会正会員の彫金家です。1935年に帝国国会議事堂の金具制作にたずさわり、法隆寺、日光中善寺などの彫金を制作しました。さまざまなジャンルの作品を作っていますが、有名なのは茶道具です。なかでも糸巻き型の蓋置(ふたおき 釜の蓋や柄杓の「合(ごう)」をのせる茶道具)は、茶道をたしなむ人に人気があります。
井波慶州の作品は、小品でも大きな作品でも制作に高度な技術が必要とされるものがすばらしく、とくに今回のお品物のように金銀の象嵌をほどこしたものはとくに需要が高いのです。

象嵌(ぞうがん)とは、ある素材にまったく別の素材をはめ込むという工芸技術の一種です。銅の地に金銀などの金属をはめ込んだり、木工に金属や陶器、貝などをはめ込んだりする装飾法をいいます。
多様な象嵌の技術の中でも、金工象嵌は歴史が古く、発祥はシリアのダマスカスだと言われています。日本にはシルクロードを経由して中国から飛鳥時代に伝わりました。以来、象嵌の工芸品は日本に欠かせない物でしたが、技術的には江戸時代に大きく花開きました。日本刀や甲冑に使われたほか、根付や文箱、重箱などを華麗に飾る技法になったのです。

もしお手持ちの花器や茶道具を鑑定・買取依頼されたいとお考えでしたら、今回のお品物のように共箱が残っていると、骨董としての評価額はさらに高まります。骨董品と対になった箱をお探しになるといいでしょう。

銅器