双鯉図 盛り上げ七宝花瓶

東京都千代田区で、双鯉図 盛り上げ七宝花瓶をお買取りしました。

七宝(しっぽう)は、金属の上から釉薬を焼き付けて作る金属工芸品です。
室町時代から始まった技法で、華やかな美術品が愛好された桃山時代から江戸時代の前期にかけて非常に人気が高く、明治期にはパリ万博など海外の博覧会に出品され、その繊細な美しさから日本文化の華と呼ばれたこともあります。
美術品として最高級のランクにある七宝には、今も国内外の熱心な愛好家やコレクターがいて、生活用具のあらゆるアイテムを美しく飾っています。

七宝の技法は数々ありますが、なかでも繊細な技法が有線七宝の盛り上げ七宝です。
そもそも有線七宝とは、金属に銅線を植線してガラス釉薬を焼き付けたものです。有線七宝は、江戸時代の天保年間に尾張(現在の愛知県)で確立されたと言われています。江戸時代を通じて繊細な金工技法として尊重され、幕末に流入してきた科学技術を取り入れて、より高度に発達したのです。

盛り上げ七宝は、七宝の製造プロセス中の研磨の途中で、一部にだけ釉薬を盛り上げて模様を作り完成させます。
通常の七宝は装飾を施した面がほとんど平らですが、盛り上げ七宝は仕上がった時に面に高低差ができるため、非常に立体的になります。
さらに七宝の表面にどうしてもできてしまうピンホール(非常に小さな穴)がとても少なくなるという利点があります。

今回のお品物は、盛り上げ七宝の花瓶です。七宝部分が盛り上がっているため、二匹の鯉が立体的に表現されています。透明な釉薬の下で、まるで生き生きと泳いでいるようです。

七宝焼・ガラス