純銀象嵌雉図花瓶一対

東京都中央区のお客様から、純銀象嵌雉図花瓶一対をお買取りしました。

純銀のような金属を素材とした工芸品が登場したのは、奈良時代のころからです。
金属製品そのものは弥生時代の前期には使われていた痕跡がありますが、工芸品・装飾品として隆盛をはじめたのは奈良時代からだと言われています。この時期はちょうど仏教が栄えたころと同じで、寺院や仏像が多数制作されるため、金工の技法が発達したからです。

平安時代になるとさらに多くの金工作品が作られて、室町時代には金属製の花瓶や香炉、燭台などが中国から伝わって技術が発達しました。
戦国時代・桃山時代には京都に釜座があり、鋳物師が集団で住んで鍋や釜といった日用品の他、鏡、武器、甲冑、刀剣類の装飾品なども作られるようになり、金工の技術は江戸時代を経て、現在まで脈々と受け継がれてきました。

金工作品には花鳥風月のモチーフが使われることが多く、今回のお品物のように動物、とりわけ鳥類がよく使われます。
なかでも雉(きじ)は日本の国鳥であり、家族愛の象徴でもあります。万葉集の時代から家族や夫・妻を恋うる和歌がたくさん詠まれており、雉のモチーフには夫婦和合や家族の繁栄を願う気持ちがこめられているのです。
今回のお品物は純銀の花瓶に金色の雉を彫り込んだ一対の花瓶です。純銀の重厚さに金色の雉が華やかなお品物です。

純銀