吉野竹治作 鋳銅花器

東京都中央区銀座のお客様から、吉野竹治作 鋳銅花器をお買い取りしました。

吉野竹治は、富山県で代々鋳物業をいとなむ家の4代目として生まれました。鋳造は工芸の技術としてはとても古いもので、双型やろう型、焼型などの技法があります。銅や真鍮・アルミ合金などの金属を高温で熱して液体にしてから型に流し込み、作りたい形にしてから冷やして固める技法です。

吉野竹治は子供の頃から父親である吉野竹次郎から鋳物の基礎を学び、昭和13年に富山県立工芸学校金属工芸科を卒業してからは、本格的に鋳金に打ち込みました。
24歳で独立し、以後は伝統的な製法である双型鋳造技術を受け継ぎ、さらに磨くことに専念。当時の高岡銅器は近代的な製法にシフトしつつあるときでしたから、吉野竹治の道はやや主流からはずれていたと言えるでしょう。

しかし、その時代に学んだ地金の配合や成型、鋳物砂の選定の研究などが、のちの高度な鋳造技術につながりました。吉野竹治の鋳造は外形成型の技術が高く、ピンホール(ごく小さな穴)が生じない高度なものなのです。

後年は東京の国迎賓館に花瓶を納入したり、高岡市の伝統工芸産業技術保持者に指定されるなど業績が認められ、現在は富山県の無形文化財保持者でもあります。
今回のお品物は非常にデザイン性の高い花器です。細い銅から大きく広がった口の形は、素材の鋳銅の色合いもあいまって、まるで花器そのものが花のように美しい作品です。

銅器