平安堂 仁清梅 蒔絵手文庫

東京都葛飾区のお客様から、平安堂 仁清梅 蒔絵手文庫をお買取りしました。

仁清梅というのは、稀代の天才陶芸家・野々村仁清の焼き物からとった梅文様のことです。
野々村仁清は、江戸時代初期に活躍した京焼の陶工。蒔絵風の色絵陶器を得意とし、京焼の色絵陶器を完成させた名工だと言われます。それまでの実用本位の陶芸を、見るための陶器・芸術品としての陶器に転換させた立役者です。
お茶道具にせよ懐石道具にせよ、野々村仁清の作った器は美術品の域に達しています。

今回のお品物のあしらわれているのが、その野々村仁清の梅文様をモチーフにした蒔絵です。
梅の枝にたくさんの紅梅がつき、満開から五分咲き、つぼみなどさまざまな梅の花が咲いている情景はとても艶やかです。
バックには黒漆が光り、その上に赤い梅の花、銀を使った枝が広がって一番手前には金蒔絵の雲がたなびいています。雲の合間から梅をのぞいているような、遠近感をたくみに使いこなした蒔絵の技法が見事です。

もともと野々村仁清の色絵陶器は、蒔絵の影響を大きく受けたものです。
それがふたたび漆芸の世界に戻ってきたということになります。繊細で優美で、華やか。多くの人が工芸品に求める要素をきっちりと入れ込んだ漆器です。
このように目をひく工芸品を作るには、高い技術力が不可欠。平安堂は1919年に創業した老舗の工房で、これからも伝統を重んじた漆器を作り続けていくでしょう。

漆器・蒔絵