京都駒井製 鉄地金銀象嵌花瓶一対

東京都葛飾区のお客様から、京都駒井製 鉄地金銀象嵌花瓶一対をお買い取りしました。

京都駒井は、明治期に京都にあった工芸品を制作する工房です。京都駒井製の作品はどれも非常に精緻かつ正確な加工をする金工品ばかり。明治期における、日本屈指の名工房でした。

その高い技術力を買われ、京都駒井製のお品物は当時の日本を代表する金工細工として海外に輸出されました。国賓クラスへの贈答品としたり、万国博覧会に出品されたり、数多くの名品を数多く制作しました。そんな縁から今でも海外の人が駒井製の作品を買い求めることが多く、海外の美術館・博物館には多くの京都駒井製工芸品が収蔵されています。

今回のお品物は、鉄地に金銀の象嵌をほどこした花瓶です。象嵌とはもとになる金属に金や銀などをはめこんで作る工芸の手法のこと。今回のお品物のように繊細な象嵌をするには技量が必要です。
象嵌を作る時には、まず生地(鉄や銅などベースになる金属)にタガネで切れ目を入れます。切ったところに合わせて象嵌する金銀のパーツを生地に打ち込んで模様にします。

今回のお品物のように精緻な模様を作っていくにはきわめて繊細な技術が必要です。制作にかかった時間や費用などは想像もつかないほど膨大なもの。それだけ高級品を作るのにふさわしい技法だと言えましょう。
ちなみに、明治期に日本の威信をかけて制作された京都駒井製の名品は、ほとんどの作品が海外に出て行ってしまいました。今となっては国内に残っている京都駒井製の作品はとても少なく、貴重です。

銅器