蒔絵麒麟図印籠

東京都目黒区自由が丘で金銀の盛り上げ蒔絵で麒麟が描かれた印籠をお買取りしました。

麒麟(きりん)といっても、動物のキリンではありません。
古代中国で崇拝された霊獣のひとつで、おもに獣のように毛を持つ生き物を統括する王でした。
霊獣としての麒麟は、体が鹿、頭は狼、尾は牛、足は馬という各種の動物のパーツを組み合わせてできた生き物です。頭にはツノがあり、賢いだけではなく非常に優しい獣で、虫も踏まず、草を折らないと言われます。

仁獣であり、徳の高い施政者が生まれるときにあらわれるという言い伝えがあります。
ちなみに、麒麟(きりん)とひとくくりにして読んでいますが、麒は雄を、麟はメスをあらわし、雌雄一対をあわせて”麒麟”と呼んでいるのです。

今回のお品物は、霊獣の麒麟を雌雄一対、そろえて印籠(いんろう)に蒔絵したものです。
蒔絵とは漆器に使う技法のひとつです。生漆(きうるし)を使って絵をかき、その上に細かい金粉や銀粉を蒔いて密着させる技法で、生漆には接着剤としての働きもあるため、定着した金粉などは剥がれることがありません。

蒔絵の技法にはいくつかありますが、こちらは盛り上げ蒔絵の技法を使っています。
盛り上げ蒔絵は、強調したい絵柄の部分を漆などで高く盛り上げて立体的な表現をする方法です。漆器の上に漆で作った高低差ができるため、麒麟のモチーフがくっきりと浮かび上がっています。

漆器・蒔絵