純銀三重盃

東京都練馬区のお客様から、純銀三重盃をお買取りしました。

盃はお酒を飲むときに欠かせないものです。日本では中世以降に木製の盃が普及し、一般的に使われるようになりました。現在では盃と言えば陶磁器製が主流ですが、なかには漆器の盃や金・銀などの金属を使ったものもあります。
今回のお品物の特徴は、銀の仕上げ方法でしょう。中央の桐モチーフには鏡面仕上げといって鏡のようにピカピカにする仕上げ加工を施してあります。いっぽう、地の部分はつやのない梨地(なしじ)仕上げ。この対比が、銀というおなじ素材に大きな変化を持たせているのです。

地の銀に施されている梨地仕上げとは、果物の梨の皮のように細かい凹凸をつけて仕上げたものです。ザラリとした質感で、落ち着いたシックな雰囲気になります。
梨地仕上げの方法は、生地に鉄や砂、ガラスなどの細かい粒子を吹き付けて純銀の表面を加工します。または金剛砂と呼ばれる砂を使い、これを水に入れて梨地にしたい銀器といっしょに容器を入れて振ります。銀は非常に柔らかい金属なので、軽い刺激で梨地に仕上げていくのです。

今回のお品物のように梨地仕上げになっているものは、お手入れに研磨剤を使用しないのがコツです。柔らかい銀製品の場合、市販の研磨剤入りシルバークリーナーをつかうことで、梨地がなくなってしまうこともあります。あるいは研磨剤なしのクリーナーを綿棒などにしみこませて、そっと汚れをこすり取るのが良いでしょう。

純銀