藤田不美夫作の額装入り木版画「白樺 H」

東京都大田区のお客様から藤田不美夫作の額装入り木版画「白樺 H」を買取りました。

藤田不美夫(ふじたふみお)は、愛知県半田市生まれの木版画家です。
1956年に武蔵野美術大学油絵科を卒業し、グラフィックデザインからスタートしました。本の装丁を手掛け、1963年には武者小路実篤の「人生論シリーズ」や萩原井和泉の「芭蕉鑑賞」の表紙で注目を集めました。

やがて1965年ごろから木版画を発表し始めます。「鳥」「化石」「仮面」などのシリーズは独特の静謐感や清潔感などが高く評価され、1970年には白樺の立つ林をモチーフにした連作「樹林」を発表。木版画家としての地位を確立しました。
以後は武蔵野美術大学木版画グループ展に参加したり、全国各地で個展を開催したりするなど、意欲的に活動しています。最近では2000年に、CWAJ現代版画展に出品をしています。

今回のお品物は、白樺の林を描いた木版画です。白樺の幹の白さと、それを覆う緑の若葉との対比が非常に鮮やかで美しい。白樺の幹がまっすぐではなく、わずかずつ曲がりくねっているためにかえって絶妙なリズム感がもたらされ、色の対比に加えて躍動感のある画面が形成されています。
同じ木版画作品の「若葉の森」にもみられるような、グラフィックデザイナーでもあった藤田不美夫らしい爽快さと軽やかさが光る秀作です。

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