掛軸とは?掛け軸の種類や評価のポイントを解説

掛軸とは?掛け軸の種類や評価のポイントを解説

床の間を飾る掛軸を目にした方は多いのではないでしょうか。
和室を飾る掛け軸は、私たち日本人にとってもっとも身近な絵画であり、骨董品の代名詞でもあります。

それだけに意外と多くの方が持っていて、探すと押し入れや倉庫から出てきます。
もし掛け軸を飾る場所がなく、しまいっぱなしになるぐらいなら、買取に出してみませんか?
もしかしたら、びっくりするような高値で売れるかもしれません。

掛け軸ってどんなもの?

掛け軸とは?
掛け軸は、書や絵画を紙や布に張り、壁面に飾って鑑賞を楽しむインテリア品の1つです。日本独特の室内様式である床の間とともに、普及してきました。

掛け軸の歴史は古く、日本には飛鳥時代には中国から伝わっていました。本家である中国でも、北宋の時代(960-1127年)には儀礼用の仏画として広く普及していたといいます。

日本で掛け軸が定着したのは、鎌倉時代に発展した仏教の一派である禅宗の影響からでした。
中国から伝わった禅宗は、仏の教えとともに中国風の建築様式や芸術を日本に広げました。そのなかに水墨画の技術もあったのです。
始めは仏教の儀礼用に仏画や祖師像が描かれ掛け軸として用いられていましたが、徐々に芸術性を増し、花鳥画や山水画も制作されます。

そのような水墨画の発達とともに、飾るための掛け軸と言う形も広まったのです。

特に室町時代の頃に茶の湯が生まれ茶室が作られるようになると、床の間という座敷飾りを彩るために掛け軸はますます芸術性を高めていきました。現代につながる茶道を大成した千利休も掛け軸の重要性を主張していたといいます。

江戸時代から明治・大正にいたるまで、掛け軸は茶室だけでなく和室を飾る一級のインテリア品として発展してきました。

戦後、生活様式が著しく西洋化し家屋から床の間が少なくなると、掛け軸はあまり見かけなくなりました。しかし、しまったまま忘れられている作品は数多くあるのです。

掛け軸の種類

掛け軸の種類
掛け軸はその特徴から大きく3種類に分けられます。
「書」と「絵」、そして「書と絵を合わせた作品」です。

書はその名の通り字を書き表したもので、単語のみである場合や、漢詩、和歌、俳句など、詩文を記したりするなど、さまざまな作品があります。作者も書家だけでなく、武将や貴族、僧のほか、近現代では政財界人や詩人など多彩です。

絵は水墨画、日本絵画、肉筆浮世絵、明治以降の日本画などが該当します。
書と絵を合わせたものは水墨画の世界でいう「詩画軸」のように、縦に長い掛け軸の上部分に書を、下部分に絵を描いたものです。書は絵に合わせた漢詩や和歌、俳句などが用いられることが多く、書と絵で1つのテーマを表現します。

また、起源である中国やその文化の影響を受けた韓国で制作された掛け軸もあります。それぞれの国の文化を表現した素晴らしい作品は、非常に高値で取引されています。

日本画

掛軸はもともと中国から伝わった美術品ですが、美人画や花鳥画など日本独自の進化を遂げた作品も多く存在します。床の間に飾ることで室内が明るくなるような作品が多く好まれました。
掛軸における日本画は、江戸時代の肉筆浮世絵で一気にその価値を高めたとされています。明治・大正期には、掛軸と日本画は互いに価値を高めあい、多くの作家が日本画の掛軸をあらわしました。
それらの作品は時代を超えて、今は骨董品としてその高い芸術的価値を認められています。

中国掛軸

中国の作家によって描かれ、表装された掛軸は「中国掛軸」と呼ばれることもあります。
掛軸というと日本風の作品を連想しがちですが、高度経済成長によりバブルを迎えた中国はアート業界も急成長。投資目的でさまざまな作家の掛軸を購入する富裕層も多く、中国掛軸は国内外で注目の骨董品、アート作品となっています。
買取福助では、国内外で高値を呼ぶ可能性の高い中国掛軸の買取を強化中。作家名や来歴の分からないものも、お気軽にお問い合わせください。

仏画

掛軸は、もともと仏教を広めるための効果的なアイテムとして日本に伝えられたものです。
とはいえひとくちに仏画といっても、構図や種類はさまざま。曼荼羅、来迎図、六道絵から、高僧を描いた肖像画など、仏教に関連する絵画であれば基本的にすべて「仏画」といえます。
仏教徒でなくとも、荒々しい毘沙門天や穏やかな表情の仏に畏敬の念を感じる日本人は多いもの。仏画掛軸が骨董品として人気なのも、日本人の根底にある仏さまを拝みたくなる気持ちゆえかもしれません。

水墨画

墨一色で、独自の世界を構築する水墨画。禅の思想とともに中国から伝わり、次第に描かれるようになった山水画も人気が高まりました。
墨の濃淡であらわされた山の岩肌や水の流れは、モノクロのシャープさと鮮やかな自然の美しさを同時に感じることができる芸術といえるでしょう。
これらの水墨画は墨絵とも称し、「にじみ」や「ぼかし」といった技法による繊細かつ大胆な表現が特徴です。
伝統的な日本家屋だけでなく現代のインテリアとしてもぴったりな水墨画の掛軸は、有名作家の作品をはじめとして、多くの作品が高値で取引されています。

花鳥画

花鳥画は、中国から伝わり日本で独自の進化を遂げたジャンルの一つ。花や鳥だけでなく、草木や虫、水生生物なども描かれます。細い輪郭線による精緻な描写がなされた作品が多く、その描きこまれた世界観は、見る者を圧倒します。
まっすぐ伸びる竹は成長、仙人の乗り物とされる鶴は長寿や吉祥など、描かれるモチーフが象徴性を帯びているのも特徴です。
お祝いや出世を願うために贈る華やかな作品も多く、掛軸の中でも特に人気の高い美術品といえます。

美人画

日本における美人画は、江戸時代に一つのピークを迎えましたが、その後も人気は衰えることなく、大正・昭和期にも多くの作家が輩出されました。
美人の定義にはまる表面的な美だけではなく、浮世絵に代表される様式美的な描写、内面や仕草の美しさ、情念をたたえた凄みのある美など、あらゆる「女性の美」にフォーカスを当てた表現は、たいへん魅力的です。飾っていると部屋が明るくなるような雰囲気があるため、美人画の掛軸は人気が高いのです。

その他

  • 肉筆浮世絵
  • 消息(手紙)
  • 短冊(和歌などがしたためられているもの)
  • 色紙
  • 墨跡(禅僧がしたためたもの)
  • 古筆(平安〜鎌倉時代の「かな書」)
  • 断簡(巻物を一部切り取ったもの)
  • 対幅(連作/2〜12のセットになっていることが多い)

このほか、地方によっては子どもが生まれた時に祝いとして贈る特別な掛け軸があったり、初節句のために掛軸を用意したりすることもあります。
ひとくちに掛軸といってもその歴史は古く、また掛軸をあらわしている人もさまざまです。

掛軸の作家分類

  • 浮世絵師
  • 仏僧
  • 禅僧
  • 絵師
  • 書家
  • 歴史上の偉人(手紙が後年表装される)
  • 俳人

掛軸の世界は奥深く、広大です。そのため、知識のない買取業者に売却してしまうと、本来は値打ちがある作品なのにそうとは知らずに安く査定されてしまったり、買取価格がつかなかったりします。
そんなことにならないよう、掛軸の買取は、骨董品の知識豊富な掛軸を専門とする買取業者に依頼しましょう。

掛け軸の評価ポイント

掛け軸の評価ポイント
掛け軸は大きな分類では絵画に属します。ですから、その価値基準も基本は同じです。
もっとも大きな評価ポイントは「誰が描いたのか」であり、次に「希少な作品かどうか」となります。

誰が描いたのかによってその美術的歴史的な価値が変わるのは、美術品の買取では共通のポイントです。極端な表現をすれば、無名の書家の美しい作品よりも、歴史的に高名な素人が制作した書のほうが高く評価されます。

掛け軸の署名や落款などから誰が描いた作品なのか調べておくと、査定額の予想がしやすく、買取店を比較するときの基準になります。

掛け軸に付属していることが多い保存用の桐箱も、作家名を特定するための重要な要素になる重要な鑑定対象です。あるなら必ず掛け軸と一緒に鑑定してもらいましょう。

また、同じ作者の作品でも希少性によって、価値は変わります。

その作者の経歴の中でどのような位置づけにある作品なのか。一点ものなのか、量産品なのか。コレクターからの人気はどうか。賞を取ったとか有名な歴史的人物の所有物だったといったような付加価値はあるか、など、同じ作家でも作品の価値は大きく異なるのです。

買取店に依頼するときには、掛け軸の作家名と、図柄や大きさなど作品を絞りこめる特徴を伝えておくと、後の鑑定がスムーズです。

掛け軸は、傷み具合と贋作に注意

掛け軸、傷み具合と贋作
掛け軸は他の絵画と比べても傷みやすいといわれます。

それは素材が紙や布といった経年劣化するものである他にも、しまう際に巻くため丁寧に扱わないと絵の本体にダメージを与えてしまうからです。

傷み具合がひどければ、表層し直す必要もでてきますし、もちろん評価額も低くなってしまいます。
掛け軸を巻くときはきつくしないようにしてください。湿気にも乾燥にも弱いので、巻いたあとは桐箱に収め温度変化の少ない場所に保管します。

防虫効果のある香木などを一緒にしまうとなお良いでしょう。化学防虫剤はかえって掛け軸を痛める場合があるので、おすすめできません。

また、掛け軸は日本では特に人気がある絵画のため、贋作や本物そっくりの印刷物も多くあります。
印刷物はまだしも、贋作は素人目には判断できない精巧なものです。経験の浅い鑑定士だと見破れない時すらあります。

本物だと思って買取ってくれれば、売る側からすれば得だと思われるかもしれません。しかし後ほど贋作だと判明すれば、トラブルに発展することもあるのです。

掛け軸は贋作も多いので、本当の価値を見定めることができる業績豊かな専門の掛け軸買取店を選びましょう。
お持ちの掛け軸はもしかしたら、とても評価の高い作品かもしれません。

このように、掛け軸は日本においてもっとも身近な芸術品の1つでした。
戦中に失われた作品も多いですが、まだまだ一般の家庭に眠っている骨董品です。なかには価値が高い作品もあるでしょう。

しかし、その材質や様式の特徴から傷みやすく保存が難しい美術品でもあります。もし飾る予定がないなら、傷んでしまう前に買取店に連絡してみることをお勧めします。

掛軸買取

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