象牙象嵌蒔絵紫陽花図額

象牙象嵌蒔絵紫陽花図額をお買取りいたしました。

象牙象嵌(ぞうげぞうがん)とは、美術工芸の装飾技法のひとつです。
象嵌とは、金属や当時、木材の表面を彫って空間を作り、そこへ他の素材を埋め込む技法のことです。

象嵌の目的は、主として作品に色彩的な模様をつけること。金属の象嵌の場合は、金や銀、銅など2種類以上の金属を組み合わせて装飾します。

象嵌の中にもさまざまな技法があり、糸象嵌(いとぞうがん・細い糸のような線や文字に象嵌をする)や平象嵌(ひらぞうがん・象嵌した面がフラットなもの)、高肉象嵌(たかにくぞうがん・象嵌した面が盛り上がった立体的なもの)などがあります。
象嵌は歴史の古い技法で、金属象嵌では中国の春秋戦国時代の青銅器に金や銀を象嵌したものが出土しています。

今回のお品物は、象牙象嵌の銅額です。
象牙象嵌は、素材となる象牙が貴重な素材であるため、価値がとても高いお品です。
象牙は牙(きば)のあるアフリカゾウからとれますが、アフリカゾウは密猟や違法な取引の犠牲となり、個体数が大きく減少してしまいました。

そのため1990年にワシントン条約によって、国際的な象牙取引は原則的に禁止となっています。絶滅の恐れのある野生動物の保護のためですから仕方のないことですが、現在、日本国外から象牙を輸入することはできません。

1999年と2009年に、自然死した象から集められた象牙がワシントン条約締結国会議の決定に基づき、日本に輸入・登録されました。それを最後に象牙輸入はストップしたままです。
ということは、国内の市場にある象牙を使い切ってしまった後は、あらたに海外から象牙が補充されることはないということ。

素材そのものが貴重であるという点においても、象牙象嵌の作品は非常に高価なものなのです。
またこちらのお品物は、素材の重要性に加えて、咲きこぼれるアジサイの花の華麗さやトンボの精緻さなど、工芸品としても高度な技術を使って作られた作品であることも評価を高めています。

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