馬萬全筆 花蝶図幅

馬萬全筆花蝶図

鮮やかな赤いざくろの花に蝶が休んでいる様子をあらわした、中国の掛軸です。
ユニークな枝ぶりと中央に描かれたざくろのぽってりとした赤い実、そして蝶を誘うように明るい花。どことなく日本の掛軸とは趣が異なり、エキゾチックな雰囲気もあって印象的です。

中国掛軸において描かれる題材には、しばしばその発音や意味を用いた言葉遊びが含まれています。例えば、「芙蓉」はその発音が「栄」と「富」と同一であることから栄華を象徴するモチーフとして使われたり、当時の文人たちが好んで飼っていた鶴が、仙人の乗り物として長寿や吉祥、風流の象徴として描かれるなど。先人たちは描かれる自然の事物にさまざまな思いを載せました。そしてその意味を理解できる教養をもった文人同士で贈り合い、縁起の良いプレゼントとしていたのです。
ここに描かれている蝶にも、このような言葉遊びがあります。
蝶は、70〜80代の老人をあらわす耄耋(ぼうてつ)という言葉と同じ音をもっているため、長寿のモチーフとして知られています。ちなみに、中国語の「猫」もこの耄耋と同音のため、猫と蝶を描き長寿を祝う掛軸とした作品も、数多く残されています。

ざくろは、ヨーロッパや中国で回虫駆除薬や、下痢の薬、うがい薬としても重用されました。中国では、果物というよりも漢方薬として実や樹皮を用いていたことになります。
日本の一部地域では不吉なシンボルとされることもありますが、世界各国では概ね縁起の良い、あるいは神聖な樹木として広く知られています。
ざくろの種子が多いことから、古代ローマやギリシャ神話においては豊穣や多産のシンボルと見なされ、結婚と出産を司る女神ジュノーの好物ともされていました。

中国では宋代の詩人である王安石がざくろのことを「万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)」、つまり一面の新緑にひとつだけ赤い花が咲いていると詠みました。これが現代でも使われる紅一点の語源です。そういった意味では、女性性の強い題材の掛軸と見ることもできるかもしれません。

関連買取実績
掛軸買取TOP

買取方法

買取福助ならご要望に応じて
3つの買取方法が選べます。

LINE査定 無料相談 フリーダイヤル