竹内久一

竹内久一:古典的なテーマに写実的な彫刻技術を取り入れた彫刻家

竹内久一(たけうちひさかず)は、明治期に活躍した彫刻家です。

浅草生まれで、父親は浮世絵師・歌川国芳の門人の提灯屋でした。13歳の時に根付師の堀内龍仙の弟子になり、象牙彫刻を学びます。龍仙の死去後は川本洲楽の弟子になりました。

1880年(明治13年)に探古美術会で奈良の興福寺の古像を見て衝撃を受け、牙彫から木彫に転じました。住まいも奈良に移して2年間をすごし、正倉院の御物(宝物庫)や奈良の社寺を回って古彫刻の研究につとめました。この時期に古仏を多数模刻し、木彫の技術を向上させました。

1906年(明治39年)に帝室技芸員に任命され、竹内久一は高村光雲石川光明とともに、明治初期の三大彫刻家と呼ばれました。東京美術学校彫刻科の初代教授でもあり、門下には白井雨山(うざん)や沼田一雅(かずまさ)らがいました。

竹内久一の代表作のひとつが「神武天皇立像(じんむてんのうりつぞう)」です。1890年(明治23年)の制作で、第3回内国勧業博覧会に出品し、妙技2等賞を受賞しました。像高が約236センチという大作です。

次に制作をした「伎芸天立像(ぎげいてんりつぞう)」は1893年(明治26年)の作品で、こちらも像高約215センチの大作。彩色なしの「神武天皇立像」とちがって、彩色が施されています。シカゴ万博に師出品し、日本の伝統的な木彫の技術を世界に知らした逸品です。

竹内久一の作風は、伝統的なテーマを写実的に取り入れた古典様式で表現したものです。堂々たる明治の木彫の大家らしく、雄大な作品が人々を魅了し続けています。

彫刻

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