石黒宗麿

石黒宗麿:曜変天目に魅せられて作陶をはじめた鉄釉陶器の人間国宝

石黒宗麿(いしぐろ むねまろ 1893-1968年)は、富山県新湊市(現射水市)で医師の家に生まれた陶芸家です。
重要無形文化財「鉄釉陶器」保持者いわゆる人間国宝に指定されました。

宗麿は、中国の宋の時代に焼かれた星のような斑紋が浮かぶ陶器、曜変天目を目にしてその美しさに感激、陶芸の道を志ざします。なお、宗麿が見た曜変天目茶碗「稲葉天目」は日本に現存するほかの2つとともに国宝に指定されています。

感銘を受けた宗麿は上京して渋谷区に窯を築き、特定の師匠をもたずに独学で陶磁研究に勤しみました。
また佐賀県唐津では、古唐津と茶碗窯の復興ために尽力、京都市郊外に窯を移してからは中国・満州・朝鮮の陶磁業を視察するなど、研鑽を積みます。

鉄釉を追求するため、感銘を受けた曜変天目だけでなく柿天目、木の葉天目など宋の時代の陶磁の技法を研究、解明しました。

代表作として知られるのは、宋の時代に焼成されていた技法をよみがえらせた木の葉天目です。
木の葉天目は、その名の通り焼きつけられた葉の文様が虹色の光彩の下から浮かび上がる意匠のことです。誰にも真似できないこの木の葉天目によって、宗麿は独自性を確立しました。

人間国宝となってからは、日本工芸会の理事となり、伝統工芸の振興、後進の指導にもあたっています。
また、晩年は、ハンディキャップを抱えた人や片親家庭を支援する福祉活動にも熱心で、社会福祉法人を通じて手厚い支援をおこなっていたことが知られています。

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