買取の前に知っておきたい現代美術の「時代」
現代美術は、今を生きる私たちの時代、またはそれに近い時代の美術作品をさすジャンルです。
現代美術・現代アートとは
「現代」といってもその幅は広く、一般的には20世紀初め頃~現代までをさしています。
20世紀に入ると、ヨーロッパから米国へと美術の中心地が移りました。米国を中心としてうまれた新たな芸術主義や技法であらわされた作品が現代美術、現代アートとして知られています。
2000年代からは、アジアとりわけ中国のアーティストも世界的に注目されるようになりました。
以前は、
第二次世界大戦前 | 近代美術 |
---|---|
第二次世界大戦後 | 現代美術 |
という区切り方がほとんどでしたが、近年「終戦後から現代と定義するには時代が経過しすぎたのではないか」という声もきかれるようになりました。
そのため、人によっては2000年代のかなり新しい芸術のみを現代アートと称している場合もあります。
ほかに「20世紀美術」などと呼ばれることもあります。
現代美術における代表的な主義・傾向
現代美術の中にはいくつもの流行や主義があり、代表的なものには次のようなものがあります。
フォーヴィスム | 写実ではなく感覚に基づいた色彩を好む。野獣派とも。 |
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ダダイズム | 伝統的な形式に対してなされる否定、破壊といった表現、主義。 |
シュルレアリスム | 超現実主義。現実を超えた夢の中のような世界を描く。 |
アール・デコ | NYを中心に流行した装飾芸術などをさす。幾何学模様や原色がよくみられる。 |
キュビスム | さまざまな角度からの視点を一つの画面に描く。一点透視法を否定する手法。 |
表現主義 | ドイツ表現主義とも。感情を作品の中にあらわす。 |
抽象表現主義(アンフォルメル) | 写実からの脱却。ドイツ表現主義とキュビズムなど含む。 |
ポップアート | 大量生産や大量消費をモチーフとした作品。広告、漫画なども含む。 |
フォトリアリズム | ハイパーリアリズムとも。何気ない事物を克明かつ精緻に描きこむ。 |
ミニマリズム | 最小限主義。一つの要素を最小の単位まで切り詰める。 |
これらはあくまで一例です。
2000年代に入ると、展示空間全体を作品とみなすインスタレーションや、見る人が触れたり描いたりすることで完成する参加型の美術品も流行しています。
プロジェクションマッピングやVRといったエレクトロニクスによる作品も、現代アートの一つです。
現代美術作品を買取可能な買取店
従来の観念や技法を超えた表現である現代美術。その買取には、幅広い知識が必要になります。
鑑定には幅広い知識と買取実績が必要
既成概念や伝統とは一線を画するのが現代美術なので、その作品の買取には幅広い知識が必要です。
現代アート作品の中には、知らない人が見ると落書きのように見える絵画や、まるで子どもが作った彫刻のように見える傑作も少なくありません。そうした美術品の価値を知るのは、現代美術の買取実績がある経験豊富な鑑定士の在籍する中古買取店です。
現代美術の買取依頼はまず問い合わせから
現代美術の販売ルートを確保していない業者は、現代アート作品の鑑定や買取を不可としている可能性もあります。
そのため、手持ちの現代美術の買取を依頼したいという場合は、まず問い合わせをしてみましょう。
高額買取されやすい現代美術の作家一覧
現代美術の作家で人気のあるアーティスト、買取を強化している作家は次のとおりです。
現代美術の作家:日本
まずは、日本から世界に羽ばたく名だたるアーティストをみてみましょう。
- 草間彌生
- 村上隆
- 奈良美智
- 横尾忠則
- 会田誠
- 山口晃
- 荒木経惟
草間彌生、村上隆、奈良美智の作品は、欧州やアジアでも特に高い人気を誇ります。
2m越えフィギュア「マイ・ロンサム・カーボーイ」が、サザビーズで16億円という高額な値段で落札された村上隆は、最も稼いでいる現代美術家の一人としても有名です。
現代美術の作家:海外
次は、さまざまな国の現代美術のアーティストです。
- アンディ・ウォーホル
- キース・ヘリング
- ジャスパー・ジョーンズ
- デヴィッド・チョー
- ゲルハルト・リヒター
- チャック・クローズ
- ダミアン・ハースト
キャンベルスープでおなじみのウォーホル、ファッションブランドがTシャツを販売したことでも人気が再燃したキース・ヘリングは、現代美術に詳しくないという人からもよく支持されています。現代アートは、富裕層や会社組織がパトロンとなって価値を上げる傾向にあります。
現に、デヴィッド・チョーは服役した経験もあるストリートのアーティストですが、Facebookの本部の壁に描くことを依頼されて一躍有名になりました。
多様な芸術性が乱立する現代美術:買取の相談はお気軽に
現代美術には、従来の観念を壊すような意表を突く作品がたくさんあります。
そのため美術品なのか、そもそも価値があるのかもよく分からず、




と不安になることもあるかもしれません。
しかし、売れないと思い込んでいるものが実は価値あるアートだったりすることも珍しくありません。買取希望のアートがあるという方は、まずは買取業者に相談してみることをおすすめします。
メールや電話でも、作品についておよそのことが分かれば対応が可能です。もっている美術品が現代のものかどうか分からない、というケースもまずは問い合わせてみましょう。