お焚き上げに供養、買取も!安心できる仏像の処分方法

木造玉眼入 日蓮上人坐像

実家の片づけや生前整理で仏像の扱いに困ったことはありませんか?

捨てるとバチが当たりそう、故人のために揃えたものだから処分するのは冥利が悪い気がするなど、仏像を持て余してしまっているご家庭は意外に多いものです。

仏像を手放すには、自治体に回収を依頼する、お寺でお焚き上げをする、買取してもらうなどいくつかの方法があります。ご家庭に合わせた方法を選びましょう。

仏像買取とは

徳力製・平田宗道作 純金観音

仏像買取とは、買取店に依頼して仏像を査定してもらうことです。宅配買取や出張買取を実施している店舗は東京都内にも多く、重い阿弥陀如来像、不動明王像、釈迦の像など複数の仏像を一気に査定してもらうこともできます。

故人となったご家族を供養するために仏壇に置かれる仏像も多いかと思いますが、買取の現場において仏像は美術品や骨董品として扱われます。仏像買取は宗派を問わず気軽に申し込めるので、「故人とは宗教が違う」、「実家の宗派がよく分からない」という方でも安心です。

仏壇とセットで供養のために置かれるイメージの強い仏像ですが、骨董品として価値が高い像もあり、意外な鑑定額が出ることもあります。

買取以外の仏像の処分方法

鍍金チベット仏 輪王座像

仏像買取以外にも、仏像を手放す方法はいくつかあります。東京都内でも区によって決まりやルールが異なる処分方法が多いので、詳細についてはお住まいの地区の役所や自治体へ問い合わせすることをおすすめします。

仏像を自治体へ粗大ゴミに出す

大きな仏像は、自治体の決まりにしたがって粗大ゴミに出すこともできます。ただし、ほとんどの人は「仏さまをゴミに出すのはバチが当たる」と考えるのであまり現実的な方法ではありません。

なお、部品が欠けていたり色褪せしていたりという仏像は、仏像修復によって本来の姿に近づけることが可能です。

気に入っている、思い入れがあるけれど破損しているから処分したいという場合は、仏像修復を依頼するのも良いかもしれませんね。

仏像の魂抜き・閉眼供養をする

仏像をお寺で供養することを魂抜きや閉眼供養といいます。仏教の宗派のひとつである浄土真宗には魂という考えはないため、法要という言葉が使われることがあります。

こうした供養の儀式は仏壇やお墓に対しても行われるため、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。魂が宿ったままの仏壇やお墓、仏像を移動することは、本来ふさわしくないとされています。

そのため、お坊さんに頼んで魂を仏像から抜く儀式を執り行います。より厳密には、引っ越しや模様替えの際に移動させることも好ましくなく、博物館などで行われる仏像展は、その都度魂抜きが実施されているといわれています。

魂抜きや閉眼供養の儀式へのお布施は、地域差があり1〜3万円が相場といわれています。相場が分からない時は、お寺に直接伺ってみましょう。なお、「死」を連想させるために4万円は避けるべきです。

仏像をお焚き上げする

お寺の檀家ではない、あるいは魂抜きのために来ていただけるお坊さんがいないという場合は、お焚き上げをして仏像を手放すこともできます。

お焚き上げはお寺のほか、葬儀会社や仏壇を扱う企業が実施していることもあります。位牌や仏壇そして仏像のお焚き上げの料金相場は5千〜3万円で、仏像の数やサイズで価格が変動することもあります。

魂抜きや閉眼供養は、お礼のお気持ちという「お布施」ですが、お焚き上げの場合はセレモニーホールなどが実施することもあり、お焚き上げ料という明確な料金設定がされていることが多い印象です。

仏像を安心して処分するなら仏像買取へ

黄楊木彫観音立像

このように、仏像を処分する方法は案外たくさんあります。ですが、閉眼供養やお焚き上げにはお金がかかりますし、多くの人が抵抗を覚えるであろう粗大ゴミ処分という方法でさえ処分するためには回収費用がかかってしまいます。

その点、仏像買取なら骨董品や価値ある品物に多くふれてきた鑑定士による鑑定が受けられる上、買取可となれば仏像でお金を得ることができます。

仏像買取のお金で故人をしのびながらご家族で静かにお食事をしたり、仏像の代わりとして小さなオブジェやプレートを飾ったりするのはいかがでしょうか?

自宅にある仏像はどのタイプ?

天然本象牙彫観音像 唐木台付き

買取依頼をする前に、ご自宅に眠っている古い仏像がどのようなタイプなのか調べてみませんか?

仏教を守る神々が象られた仏像もあります。狭義における仏像は「仏」すなわち「シッダールタが悟りを開いた状態」を象った如来像のみをさしますが、一般的な意味においては、菩薩像、明王像や天部像といった異なる姿や仏教を守る神々の像も仏像としてとらえられています。

代表的な特徴を挙げてみましたので、ご自宅の仏像をチェックしてみてくださいね。

釈迦如来像

古銅釈迦如来坐像

「如来」とは真理(如)の世界からやって来たシッダールタという意味です。仏伝という釈迦(シッダールタ)の伝記の場面を絵解き風に再現した仏像が多く、もっとも一般的なのはすでに螺髪となり、釈迦が説法をする姿をあらわした仏像です。

ほかにも誕生像、苦行像、涅槃像などがあり、文殊菩薩と普賢菩薩を左右に控えて置かれることもあります。

阿弥陀如来像

江戸期 木彫阿弥陀如来立像

阿弥陀如来像は、日本の主な宗派のほとんどが分類される大乗仏教における如来の姿を象ったものです。

釈迦如来と同様に螺髪姿で、鎌倉大仏もこの阿弥陀如来の姿をしています。装身具をほとんど身につけない質素な姿で、悟りの象徴である蓮華座を台座としています。

菩薩像

宗珉作 銅製弥勒菩薩半跏思惟像02

如来に次ぐ位置づけの菩薩は、ほっそりとした女性のようなフォルムをしていることが多く、たくさんの装飾品を身につけている像もあります。

文殊菩薩や普賢菩薩のように、如来像の左右に控える脇侍(わきじ)としてレイアウトされることも。

明王像

鍍金チベット仏・大威徳明王像

不動明王像が有名な「明王」とは如来の化身ともされ、明妃(みょうひ)と呼ばれる女性の明王もいます。

荒々しい表情や武器をもった姿から怖いというイメージを抱きがちですが、これは仏教に帰依できないほど俗世に染まった人々を力づくでも帰依させるという強い意志があらわれたものです。

怒った表情は忿怒の相といい、怒りのあまり髪を逆立てて火炎を背負った姿で描写されます。

仏教を守護する神々の像

鍍金ヤマーンタカ像

七福神の像や薬師信仰の十二神、四天王といった仏教を取り巻く神々や化身の姿を象った像も、広い意味では仏像となります。

大黒天、毘沙門天、恵比寿展、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋尊からなる七福神は民間信仰の一種として知られていますが、元は仏教を守護する天部と呼ばれる神々でもあります。

また、仏教以前の古代インド神話、バラモン教の神々である「十二神」、古代インドにおいて世界の中心にあるとされる須弥山(しゅみせん)を守護する「四天王」も仏教を守る神として仏像にあらわされています。

自然現象を神格化して像をしたものもあり、半身半獣のようにヒト型ではないかたちをした像もあります。

このように、仏教の信仰の対象として象られた仏像は多岐にわたります。国宝級の価値ある古い仏像から民間信仰として愛されてきた像まで、どれほど多くの方が仏像に平安を求めてきたのかがしのばれますね。

故人の愛好していた仏像であったり、実家の蔵に眠っていた仏像だと、一見してどのような意味や信仰があるのか分からないという場合もあるでしょう。

そんな時は、まず鑑定士や骨董品、美術品を多数見てきた専門の買取店へ相談してみることをおすすめします。