五月人形の買取は出来る?兜飾りや日本人形の処分方法とは

五月人形の買取は出来る?兜飾りや日本人形の処分方法とは

男の子の健やかな成長を願って飾る五月人形。現代のインテリアにマッチしたモダンなデザインも出回っており、昔ながらの五月人形をもてあまし気味という方も多いのではないでしょうか?

今回は、五月人形の買取について、また安全に手放せる処分方法についてご紹介します。

五月人形とは

五月人形とは?
五月人形は武者人形、金太郎、武蔵坊弁慶などをかたどった姿がよく見られます。また、鎧飾りのみ、兜飾りのみなど人形ではない端午の節句の飾り物も、買取業界では五月人形のカテゴリ内で扱われることがあります。

ちなみに、五月といえば鯉のぼりの風物詩ですが、鯉のぼりは江戸時代になってから広まったお祝いの風習です。それも関東に普及したもので、当時の関西ではあまり鯉のぼりが一般的とはなりませんでした。

五月人形の買取は難しい!買取可能な五月人形は有名作品

前提として申し上げると、世の中に出回っている五月人形のほとんどは買取不可のアイテムになってしまいます。

五月人形は男の子の健やかな成長を祈って飾るもので、高価なものから低価格のものまで、多くの人形が普及しています。そのため、有名なブランドの五月人形であっても新しいものは普及品として扱われ、買取自体が難しいことが多いのです。

当店で買取できるのは、大木平蔵など長い歴史をもつ人形師の手による五月人形か、昭和20年代以前に制作された骨董品として価値のある五月人形のみとなります。

大木平蔵の五月人形とは

大木平蔵(おおきへいぞう)とは、江戸時代から京都で受け継がれてきた「丸平大木人形店」当主の名跡です。

大木平蔵の作る雛人形は、和菓子の老舗「虎屋」の第14代当主に長女が生まれた際に贈られたこともあり、万国博覧会でも金賞を与えられた歴史ある銘品です。

大木平蔵のあらわす日本人形、五月人形も雛人形と同じく重んじられ、芸術品として知られています。

なぜ昭和20年以前の五月人形は売れるのか

五月人形や雛人形の買取は吉徳や久月といった老舗ブランドであっても買取が難しいとされるのに、なぜ昭和20年以前の五月人形は買取してもらえる可能性があるの?と不思議に思った方もいらっしゃるかもしれません。これは、骨董品の定義が理由です。

骨董品とは「古くて価値のあるもの」の総称ですが、英語で「アンティーク」、「ヴィンテージ」となると若干意味合いが変わってきます。

一般的には作られてから100年以上経過した価値ある品物は「アンティーク」、100年がまだ経過していない品物は「ヴィンテージ」とカテゴリ分けされます。

また、あまり価値はないが古いという品物については「レトロ」と表現されることもあります。

この定義に五月人形を当てはめると、昭和20年以前に作られて状態の良いものはアンティークとして文化的価値が高いとみなされるため買取の対象になるのです。

とはいえ、昭和20年以前の五月人形であってもすべてが買取できるわけではありません。著しく状態の良くないものや、ガラスケースが壊れている、着物や布地の部分にカビや汚れがあるという五月人形はたとえ充分に古くても買取不可となってしまいます。

買取市場における五月人形の価値は骨董的&美術的価値

皆さんは、五月人形をどのような価値判断で購入されましたか?飾りやすいサイズである、お顔が気に入った、祖父母が選んでくれた、など人の数だけ五月人形を選び決めた理由があると思います。

ですが残念ながら、買取市場における五月人形の価値はデザインやお顔の造形、サイズはあまり関係がないのが現実です。

買取される五月人形は、100年以上経過して骨董品としての価値が備わっている、歴史が長い人形店や人形師による作家ものであり美術品としての価値があるなど。五月人形としてよりも、日本人形として価値のある作品が買取される傾向にあります。

そのため、どれだけ綺麗な状態であっても一般的な人形店、おもちゃ店で買い求めた五月人形やモダンなデザインのコンパクトな五月人形は、買取の現場では鑑定できないことが多いのです。

しかしながら、もちろんお手持ちの五月人形に価値がないというわけではありません。五月人形は男子の成長を祝うと同時に、子どもにふりかかる厄を肩代わりしてもらうという大切な役目が授けられた人形です。

子どもの成長とともに飾らなくなるかもしれませんが、不要になったということはお子さまが健やかに成長されたという何よりの証なのではないでしょうか。

安全に五月人形を処分する方法とは

では、買取不可の五月人形を手放す場合はどのようにしたら良いのでしょうか?ゴミとして捨てるのはバチが当たりそう、大切に飾ってきたら捨てるのはしのびない、という方も多いと思います。

確かに壊れていない、しかも魂のこもっていそうな五月人形を処分するのは難しいですよね。憂いなく、安心して手放せる方法をいくつかご紹介しましょう。

五月人形の処分:人形供養

費用はかかりますが、安心して処分できるのが人形供養という方法です。人形供養は、読経で人形の平安を祈り、場合によっては焼香などをしてお焚き上げをしてもらう儀式でお寺や神社のほか、セレモニーホールが定期的に主催していることもあります。

お焚き上げの費用がかかる、開催日時や受付期間が決まっているという難点もありますが、買取できない五月人形を心安らかに手放すにはおすすめの方法です。

五月人形の処分:フリマアプリ

フリマアプリなら、今まさに五月人形を必要としている人へ譲ることができます。フリマアプリは今すぐ必要なものが売れやすいと言われているので、五月五日に間に合うタイミングに出品するのが良いでしょう。反対に、五月五日を過ぎると売れる可能性がかなり低くなります。

フリマアプリは、買取専門店や骨董品取り扱い店で買取不可となったアイテムも売却できる可能性があります。

ですが、写真をさまざまな角度から撮影して掲載する必要があり、梱包材を用意したり送料を計算して価格設定をしたりとすべきことが多いので、しっかり準備をしておく必要があるでしょう。

五月人形はあまり安い価格設定にすると、送料で損をしてしまうケースもあるので、発送方法なども調べておくのがおすすめです。

五月人形の処分:リサイクル

自治体によっては、リサイクル回収してもらえることもあります。ですが、壊れている、古い五月人形である、ガラスケースが破損している、などの場合は受付してもらえないこともあるので、市役所や自治体の任意団体へまずは相談をしてみる必要があるでしょう。

新しい五月人形や、有名ブランドの五月人形であれば、リサイクルショップで買取してもらえる可能性もあります。

五月人形の処分:寄付

五月人形は「本人の代わりに厄を受けてもらう」という役割もあり、五月人形を他人に譲るのは好ましくないと考える人もいます。

五月人形や雛人形は男の子の人数分、女の子の人数分だけ並べて飾るという、昔ながらの風習を守るご家庭もあるので、安易に友人に譲らない方がベターです。

ですが、児童擁護施設や幼稚園、保育園などでは五月人形や雛人形の寄付を受け付けていることがあります。また、NPO法人で受け付けていることも。

ですが、こちらも比較的新しく有名メーカーの五月人形のみ受け入れ可能になっていたり、目標数に達して以降は受け入れ辞退となる場合があるので、事前に必ず問い合わせるようにしましょう。