「南無阿弥陀仏」掛け軸の買取相場【宗派や署名あるなしで価値が変わる?

「南無阿弥陀仏」掛け軸の買取相場

南無阿弥陀仏の掛け軸は、お彼岸や仏事の際にかけるありがたい掛け軸です。
南無阿弥陀仏という言葉自体が「仏の教えを信じます」という意味のため、掛け軸を用いて先祖の供養や家内安全を願います。
浄土宗においてよく用いられ、高僧や高名な宗教家のしたためた掛け軸は特に価値があります。

「南無阿弥陀仏」掛け軸の買取価格相場

南無阿弥陀仏の掛け軸の相場は、数万円〜数十万円と作品によって相場が大きく変わります。掛け軸自体は、法要などで用いられることが多いため、数千円〜購入することができます。

一方で、著名な作家や僧侶、和尚といった人物がしたためた掛け軸は、美術館や博物館に収蔵されたり高額な価格で販売されたりしています。

買取業界の価格設定もこうした市場価格に準じるかたちで決まっていて、高僧のあらわしたものは、時代とともにどんどんと値段が上がっていきます。

南無阿弥陀仏の掛け軸の価値は何で決まるか

南無阿弥陀仏の掛け軸の価値は何で決まるか

掛軸の価値は、書いた人物の知名度、表装、保存状態によって決められます。

また、無銘の掛け軸よりも署名や落款のある掛け軸の方が価値の高い美術品と判断されます。

  • 南無阿弥陀仏の掛け軸を誰が書いたか
  • 南無阿弥陀仏の掛け軸がどのような表装にされているか
  • 南無阿弥陀仏の掛け軸はどのような状態か
  • 銘や署名があるか
  • 付属品がそろっているか

南無阿弥陀仏の掛け軸を誰が書いたか

教科書に名前が載っているくらい高名な人物による掛軸は高値がつくだけでなく、博物館などの施設に貸し出されることもあるでしょう。

高僧の肉筆であれば、金額には換算できないほどの価値がつくこともあります。

南無阿弥陀仏の掛け軸がどのような表装にされているか

表装には水牛や琥珀、白檀といった希少価値の高い素材が使われていることも多く、これらの材料を使って表装されている掛軸は、たとえそれほど有名でない人物の作品であっても高い価値がつけられることがあります。

南無阿弥陀仏の掛け軸はどのような状態か

いくら著名な人の南無阿弥陀仏の掛軸であっても、カビや汚れが修復不可能なほど広がっている全体の価値を見極められないほどに破れているという場合は、重要な作品、掛軸であってもあまり価値がないとみなされるケースがあります。

銘や署名があるか

南無阿弥陀仏としたためた人が誰なのかを示す銘(署名)や、作品の来歴を辿れる落款があるかどうかで、掛け軸の価値は変わります。

高名な僧侶や作家であればあるほど、巧妙な贋作が出回るリスクも高くなります。そのため、鑑定時に本物であるかどうかを確認できる署名入り、落款入りの掛け軸は高額と見なされやすくなります。

付属品がそろっているか

名のある僧侶があらわした掛け軸の場合、共箱に収められていることもあります。また、鑑定書や来歴を示す書類などが付属していることも。

買取はこれらの付属品がそろっている方が価値が高く算出される傾向にあります。

南無阿弥陀仏の掛け軸で有名な宗派

南無阿弥陀仏を尊ぶのは浄土宗浄土真宗です。

なかでも浄土真宗大谷派は念仏を唱えることで、すべての人が救われる世を信じて布教を行っています。

浄土宗

浄土宗は、法然を祖としています。阿弥陀如来を本尊として慈悲を信じて、「南無阿弥陀仏」と唱えることで救われるという教えを説きました。

「南無阿弥陀仏」を重視するという教えなので、必然的に南無阿弥陀仏の掛け軸をお彼岸やお盆、法要に用いる可能性が高い宗派です。

浄土真宗大谷派

浄土真宗大谷派は、親鸞を宗祖とする宗派です。親鸞は鎌倉時代前半〜中期の仏教家で、法然を師として仏の教えを広めました。

親鸞も法然も南無阿弥陀仏を唱えることで極楽浄土へ導かれると信じ、人々に教えを広めました。

浄土真宗大谷派は東本願寺を本山としていて、8,600を超える宗教団体のトップになっています。大派(だいは)やお東(ひがし)という通称があり、多くの人の拠り所となっています。

浄土真宗は、特に南無阿弥陀仏の名号を重んじる傾向にあり、浄土真宗大谷派の高僧があらわした南無阿弥陀仏の掛け軸は、価値が高くなります。

南無阿弥陀仏の掛け軸にはどのような意味があるか

南無阿弥陀仏の掛け軸は、浄土宗や浄土真宗といった仏教徒の方だけでなく、無宗教の方も用いることができます

南無阿弥陀仏は、「六字名号(ろくじみょうごう)」といい、仏への帰依を意味する言葉です。自分が仏とその教えを強く信じることを表明する時に唱える決まり文句のようなものです。

ちなみに、九字名号に南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)、十字名号に帰命尽十方無礙光如来(みょうじんじっぽうむげこうにょらい)という言葉もあります。

南無不可思議光如来は、我々人間には推し量ることのできないほど叡智に富んだ仏さまを信じます、という意味の言葉で、帰命尽十方無礙光如来はあらゆるところ(十方)を照らしてすべての人々を救ってくださる仏さまの教えに帰依しますという意味の言葉です。

これらの九字名号、十字名号も南無阿弥陀仏の掛け軸と同様、法要の時の掛け軸として用いられることがあります。

南無阿弥陀仏の掛け軸はいつかける?

一般的に南無阿弥陀仏の掛け軸をかけるのは、仏事の時です。

すなわち、年二回のお彼岸、一周忌や三回忌などの法要、月参り、お盆の時などに故人や先祖を思って南無阿弥陀仏の掛け軸をかけます。

これは、無宗教であっても亡くなった方々の安寧を願う気持ちがあれば、かけることがあります。

家内安全のためにかけられる場合も

南無阿弥陀仏の掛け軸は、法要の時だけでなく家内安全を願って用いられることもあります。

この場合、かけられるのは仏間が多いようです。仏間がないという場合も、お仏壇や故人のお供えを置く部屋などにかける人が多いのかもしれませんね。

南無阿弥陀仏の掛け軸をお持ちなら買取査定へ

南無阿弥陀仏の掛け軸は、鑑定してみると高名な人物の手による作品であるケースがあります。
自宅に眠っている、実家の蔵にあったが持て余しているという掛け軸は、ぜひお気軽に査定依頼をしてみてはいかがでしょうか?