沢田閑里作 小面能面①

渋谷区上原で沢田閑里作 小面能面を買取ました。

能面には、翁や童子、般若などが種類がありますが、小面は若い女性をあらわす能面です。「小」とは、愛らしさや若く美しいさまを意味しています。
小面は、一つの面(おもて)で喜怒哀楽のさまを表現できることが知られており、光や影のでき方によって表情がまったく違って見えます。
能楽では喜びの表情を「テラス」といい、悲しみの表情を「クモラス」と呼ぶそうです。一つの面なのに、嬉しさを表現する場面では喜びが、悲しさや怒りを表現する場面では暗さをまとった表情に見えるのは不思議ですね。そうした繊細な変化を見せるのは、面の作成者の木彫りの技術と、能楽師の技術の結晶といえるでしょう。
舞台だけでなく室内でも、見る角度や方向によって表情が変わるので、その魅力と変化を充分に感じ取ることができるのではないでしょうか。
やさしい雰囲気の眉と、ふっくらとした頰、黒い髪に紅のあざやかな唇は、美の基準が移り変わりやすい現代においても、その若々しさと愛らしさを伝えてくれます。能楽はユネスコ無形文化財にも登録されているため、日本にとどまらず、海外でも高く評価される芸術でもあります。

沢田閑里作 小面能面②

共箱には個人名が入っているため、一部にモザイク処理を施しておりますが、キズや損なった部分はなく、たいへん美しい状態です。

渋谷区彫刻木彫・竹籠