堀田栖邦作 彫漆屏風

東京都中央区銀座で、堀田栖邦作 彫漆屏風をお買取りしました。

漆器に装飾を加える技法は数々ありますが、今回は彫漆(ちょうしつ)という技法をご紹介しましょう。
彫漆とは、何層にも塗り重ねた漆の表面を削って彫刻したもののことです。漆を塗る回数が多ければ多いほど漆の層に厚みができますが、それだけ長い時間をかけねばならず、彫漆の技法を使うまでには大変に長い時間がかかります。
ちなみに漆を100回塗り重ねたとしてどの程度の厚みが出るのか。わずか3ミリにしかなりません。
彫漆は、実際に彫刻に入る前の準備こそが重要だということがよくわかります。

彫漆は、色によって呼び方が変わります。朱色なら堆朱(ついしゅ)、黒なら堆黒(ついこく)、黄色なら堆黄(ついおう)です。
堆という言葉そのものが、積み重ねるという意味の文字です。このように一つの色で彫漆を作ることもありますが、今回のお品物のように、複数の色をつかった鮮やかな作品も残されています。

多色の彫漆を作る場合は、最初に一つの色の漆を何十回も重ね塗りして、乾燥した後に他の色漆を塗り重ねます。
朱色、青色、黒、黄色というように単色を塗り重ねていくのですが、作りたい絵柄によって色漆の順番を考えねばなりません。
漆を塗り始めるときに、最終的な全体像ができていなければ、多色使いの彫漆は成功しないのです。
今回のお品物のように、さまざまな色を駆使した彫漆は、完成までに気の遠くなるような時間がかかっていることになります。

中央区漆器・蒔絵