銘義弘 純銀打ち出し花瓶

横浜市中区のお客様から、銘義弘 純銀打ち出し花瓶をお買取りました。

打ち出しとは、銀の塊から金づちやタガネを使って打ちのべて、模様や形を作り出す手法です。立体的な造形ができ、模様も自由に作れますが、高い技術力が必要な手法でもあります。肉彫りともいい、製品全体は金属を薄く伸ばしているために立体感があるのに軽いのが特徴です。
打ち出しは伝統的な金属加工技術のひとつで、現在でも金工の分野で多用されています。とくに純銀は金属として柔らかく加工がしやすいため、こまかい細工が必要な作品に向いています。

打ち出しのやり方は、銀の板を加熱して柔らかくして下絵を張り付け、銀板の裏側からタガネや金づちでたたいて形を打ち出ることから始まります。裏の打ち出し作業が済んだら表側を確認、表を美しく整えて再度、裏からたたくという作業を延々繰り返していきます。
打ち出しに使うタガネそのものも、職人が用途に合わせて自分でカスタマイズしていきます。制作にあたっては何百本という数のタガネを使い分ける職人もおり、高い技術が必要なのです。今回のお品物のように筒状になった花瓶などを作り上げるには、長い時間をかけて何度も繰り返し銀をたたき続けなくてはなりません。

こちらの花瓶は、中央に抽象的な波形模様をつけ、さらに金で彩色をしています。手間暇をかけてすっきりした造形を完成させ、なだらかな曲線で波を描いて躍動感あふれる一品です。

純銀