根箭忠緑作 鋳銅飛魚紋花瓶

東京都墨田区のお客様から、根箭忠緑作 鋳銅飛魚紋花瓶をお買い取りしました。

根箭忠緑(ねやちゅうろく)は大阪生まれの金工家です。東京美術学校(東京芸大の前身)の鋳金科に学び、大島如雲(おおしまじょうん 鋳金界の重鎮)に師事しました。卒業後は帝展の特選を受賞するなど数々の賞をとり、鋳金家協会会員や大阪府工芸協会審査員をつとめました。

根箭忠緑の特徴は、アールデコの影響を強くうけたデザインでしょう。今回のお品物もなめらかな曲線と直線の対比が美しく、波間に浮かぶトビウオの姿をシンプルかつ優雅に描いた花瓶です。

アールデコ様式とは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に流行したスタイルです。それまでのアールヌーボーが装飾的で量産することが難しかったのですが、アールデコは直線を多用するスタイルで、現在の工業用デザインにやや近いかもしれません。当時は装飾性よりも機能的なデザインが好まれたのです。

今回のお品物もアールデコの影響を受けたものです。
そもそも根箭忠緑の代表作のひとつである黄銅製のミミズク型の壺(黄銅製耳木菟形壺)はアールデコを好んだ朝香宮親王の昇進祝いでした。
こちらの花器も、図柄は直線を多用したアールデコ様式。軽やかに波間を飛ぶトビウオの姿がリズミカルで美しい作品です。

墨田区銅器