杉浦康益作 陶の博物誌「山桃」

東京都大田区大森東のお客様から杉浦康益作 陶の博物誌「山桃」をお買取りしました。

杉浦康益(すぎうらやすよし)は、東京芸術大学大学院を修了後、独自の路線でオリジナルの陶芸作品を作り続けてきました。芸術性はもちろん、おどろくほど繊細な陶芸作品を数多く制作し、「陶の石」や「陶の岩」、「陶の木立」シリーズなどは、美術館の庭園に置いてあるとまるで本物の石や岩と区別がつかないほど精緻な出来栄えです。
その独自性を高く評価され、2012年度に日本陶磁協会賞を受賞、2013年には瀬戸内国際芸術祭にインスタレーション作品を出品するなど、注目をあつめる作家です。

陶の博物誌は、陶器でできた27品種の花々のシリーズです。菊の花やドングリ、朽ちかけたひまわりの種などを正確に再現したもので、徹底的に観察を続けた陶芸家の気迫を感じる作品群です。杉浦康益自身が自然に対する畏敬の念を持ち続け、芸術家と陶芸家の目で観察した集大成だと言っていいでしょう。
今回のお品物は、陶の博物誌シリーズの山桃です。山桃の実は初夏に熟し、果実の表面は細かい粒状になっています。さわると少し硬く、実の中に大きな種があります。こちらのお品物を見ると、山桃の細かい突起がよくわかり、おもわず触れたくなる形状です。

植物の構造を知り抜いたうえで制作されているため、植物が持つ静かなエネルギーや生命力が強くあらわれている秀作です。さらに今回のお品物には共箱もあり、非常にいい状態でしたので高価買取させていただきました。

大田区陶磁器