浅野陽筆の掛軸

都立大学駅近く、東京都目黒区中根で浅野陽筆「とうがらし」掛軸を買取りました。

陶芸で有名な浅野陽の掛軸は珍しいお品物かと思います。
独特のタッチで描かれた「とうがらし」はとても味わい深い作品です。
表具のデザインも大変おしゃれで現代的な感覚にマッチした掛軸です。

浅野陽は、1923年東京本郷生まれの陶芸家です。現在の東京芸術大学である東京美術学校を卒業したのち講師となり、後進の指導にも積極的でした。1989年には退官の記念展が催され、翌1990年には名誉教授となっています。陶芸家としてのキャリアは国内にとどまらず、フランスの陶芸ビエンナーレ、アメリカのスミソニアン美術館、イギリスのビクトリア美術館にも出品した経歴をもちます。
また、陶芸や料理について随筆を寄稿、本を多数刊行するなど、文筆の才能もありました。そんな浅野の掛軸は、ひょろりとした曲線が何とも味わい深いとうがらし。またモダンな表具は和室だけにとどまらず、リビングルームや書斎など、洋風の室内にもしっくりとおさまりそうなたたずまいです。
北大路魯山人に代表されるように、すぐれた陶芸家は食の道、書の道、絵の道と、さまざまな芸術分野に精通しています。こうした掛軸をみると浅野も例外ではなく、陶芸を極めるにあたり、料理や絵画といった自分の分野とは異なるものに対しても興味関心をもち、研鑽を積んでいたことがうかがえます。それは総じて「和のこころ」ともいえるのかもしれません。赤い色合いが食欲を刺激するのは、けっして気のせいではないでしょう。

目黒区掛軸