象彦作 両替商模様硯箱

東京都港区南青山で京都象彦作 三井男爵家から下賜された豪華な蒔絵硯箱を買取りました。

「京都象彦」という言葉をご存知でしょうか。これは、だれか特定の人の名前をいうわけではありません。
この「京都象彦」という名称の意味を知るためには、今から350年以上も前に歴史をさかのぼらなければなりません。
当時、「象牙屋」と冠した漆器道具屋がありました。そこで三代目を継いだのは、「彦兵衛」と名前の男性でした。彼が作り出した名作は非常に高い評判を獲得することになりました。そのため、いつしか、屋店の「象」と三代目の名前である「彦」をあわせて呼ぶようになり、これが現在の「京都(の)象彦」という名称に繋がったのです。

現在もこの名門の名前と流れ、意志は受け継がれ、さまざまな商品を開発しています。

そのなかでも、今回の「両替商模様硯箱」は特別なものです。まだ日本に爵位があったころ、三井男爵家から下賜された特別な硯なのです。大判小判をちりばめた少しユニークなデザインに加え、硯自体のかたちも面白く、「観賞用」として非常に高いレベルを保っています。

日本の家族制度(爵位)は、今から70年前に廃止されています。しかし、今回南青青山で買いあげた両替商模様硯箱は、すでに廃止された爵位という歴史と、350年前から今までつながっている「象彦」の歴史の2つを持つものです。
その歴史の重みが、この小さな両替商模様硯箱から伝わってくるようです。

港区漆器・蒔絵