掛軸鑑定、目利きのプロが教える鑑定のポイント

【掛軸鑑定】目利きのプロが教える鑑定のポイント
  • 「買い取って欲しい掛軸があるけれど、もし偽物だったら値段がつかないの?」
  • 「査定に出して偽物と判定されたら恥ずかしい‥‥」
  • 「掛け軸の買取は初めて!本物を偽物だと騙されて安く査定されたらどうしよう」

そんなお悩みを解決するために、真贋ポイントとはどのような点のことなのかを解説します。見極めのプロである鑑定士は、掛軸の何をチェックしているのでしょうか。

掛軸の鑑定は日本と中国の骨董知識にあかるい鑑定士へ

骨董品にはさまざまな種類があり、日本独自のアイテムも少なくありません。
しかし、掛軸に限ってならば日本の掛軸と中国掛軸および骨董の知識がある、買取実績の豊富な鑑定士を見つけると良いでしょう。

掛軸は、仏教を広める目的で中国から日本にもたらされたといわれています。日本に流入してから鎌倉時代、江戸時代を経て日本独自の進化を遂げましたが、やはりルーツとして中国の掛軸も重要であり、需要があります。

自宅に眠っている掛軸は、実は中国の作家による値打ちものだった、という可能性もあるでしょう。

プロはここを見ている!掛軸鑑定のポイント

掛軸査定において、プロである鑑定士がチェックするのは、主に次の3つのポイントです。

  • 落款
  • 絵や書の筆致
  • 紙質
  • 掛軸の作者の知名度

落款は、作家がサインの代わりに作品にあらわす認印のようなものです。多くの作家は生涯で複数の落款を使い分けており、鑑定士は筆致と落款の組み合わせが正しいものであるかをまず確かめます。

例えば、枯れた味わいのある筆致に対して、作家が若い頃に用いていたとされる落款があれば、それは偽物である可能性が出てきます。反対に、勢いのある筆運びであるにも関わらず、最晩年に使用していた落款が合わせられている場合も、いわゆる「真作であるのか怪しい」作品といえます。

また、紙質は時代を把握するのに役立ちます。どれだけ古い時代の筆使いや落款を巧妙に再現していても、贋作は紙が新しいことがあります。書かれたとされる時代と紙の齟齬により、実際の作者が活動していた時代よりも後に模倣された掛軸と判明することもあります。

さらに、掛軸の作者が人気であればあるほど、鑑定士はその真贋をつぶさにチェックすると考えて良いでしょう。というのも、人気作家であればあるほど、そのネームバリューを利用したお金儲けを企む人が多いからです。

教科書に名前が載るような浮世絵の絵師による掛軸などは、当時から贋作が作られたり、また弟子による模倣作品が残されていたりします。
そしてかなり後の時代になっても、巧妙な偽物が作られ、不正に売買されることもあります。人気作家の掛軸ほど、注意が必要といえるでしょう。

掛軸鑑定は相談なら無料、作家不明でも見てもらおう

もっとも、自宅に眠っている掛軸の中には「本物も偽物も何も、そもそも作者が分からない」という作品もあることでしょう。

掛軸に詳しくない人が見れば、落款のみでは作者名は分かりづらく、また作者名が記してあってもくずされた字であると判読できないケースが多く見受けられます。
そのような時は、作者不明の掛軸として鑑定士に査定を依頼してみてください。鑑定士は、その掛軸を査定し、作者を特定します。

無料相談や、LINEによる大まかな査定を受け付けている買取業者も多く、売却に踏み切れないという場合はまずそちらを利用するのも良い方法です。

真作と贋作で買取価格はどれだけ変わる?掛軸鑑定の明暗とは

掛軸の真物は、その多くが100年単位の長い年月を経て現存している作品です。希少性と価値ははかりしれないもので、真物と贋作を査定価格で比べることは到底できません。
しかし、贋作には次のような種類があり、これらは同じ贋作であっても査定額が異なってくる可能性があります。

【贋作の種類】

  • 真物と同時代の作家あるいは弟子が模倣した掛軸
  • 真物より後年に、何らかの理由で精巧なレプリカとして作られた掛軸
  • 現代の贋作家が骨董品詐欺を目的として作った掛軸

この偽物の中で、もっとも高い値段がつくのは、真物と同時代に作られた掛軸です。本物ではありませんが、本物と同じ時代に描かれているため、希少性を見出すことができます。また、本物の作家の直弟子が描いた掛軸の場合は、師匠の模倣ではあっても一つの独立した掛軸と見なすこともできるかもしれません。

そして、真物があらわされたよりも後の時代に、模倣されたり庶民の間で楽しむ目的で複製されたりした掛軸も、丁寧に作られているなどの理由で査定価格がつけられることもあります。

もっとも価値が低いのが、現代に悪事を目的として作られた掛軸です。こうした場合、多くは粗悪な複製であることが多く、最初から人を騙して金銭を得ることだけを目的にしています。これには価格はつかないと思った方が良いでしょう。

美術品の知識豊富な鑑定士でも人によって掛軸鑑定の査定額は変わる

では、本物の掛軸であれば、100人の鑑定士が査定してすべて同じ査定額となるでしょうか?当然ながら、答えはNOです。
骨董品や美術品の知識が同じように豊富な鑑定士であっても、算出した査定額にズレが生じることがあります。
その理由は、主に2つあります。

  • 買取した掛軸を売るための販路をもっているかどうか
  • 現在の相場を熟知しているかどうか
  • 掛軸をはじめとする骨董品買取業者は、買取をして店舗にずっと美術品を貯めているわけではありません。新たに求めている人へ売却し、利益を得てまた買取をする、その繰り返しで店舗を営業しています。

    売り先としては、個人のコレクター、オークション、海外市場などがあり、これらの販路を多く持っている鑑定士ほど、査定額を高くつける可能性があります。

    たくさんの販路を持っていれば、どのような掛軸であっても必ず欲しいという人を見つけられるので、手元で保管し続けるリスクが少ないからです。販路が少ないと、売り先の需要に合ったアイテムの買取しかできなくなり、結果として需要のない品物は安く査定しがちになってしまいます。
    もう一つのポイントである「相場の理解」も、査定額を決定づける重要な要素です。

    骨董は時価!掛軸鑑定にまつわる周辺事情

    骨董品や美術品には定価がなく、取引は時価でおこなわれます。時価を決定づける要素はさまざまですが、鑑定士が左右できない要素として「流行」があります。
    今までは骨董コレクターしか知らなかったような作家でも、映画やドラマなどで取り上げられると一気に知名度が上がり、掛軸が広く求められるようになります。

    また、作家の没後◯年、生誕◯年といったいわゆるアニバーサリーイヤーの前後は、需要が高まり相場が高騰する傾向にあります。
    こうした相場の動きを熟知している鑑定士は、それに基づいた査定をおこなっています。しかし、相場に疎いあるいは敢えて一律の価格でしか買い取らないという方針の業者も一定数いるため、査定額には差が発生するのです。

    掛軸を売りたいと思い立ったら掛軸鑑定で価値を知る

    • 「掛軸を売りたいわけではないけれど、真贋を見極めたい」
    • 「掛軸を売るかどうか決めかねている」
    • 「しっかり価値を理解した上で売却したい」

    そんな時は、査定ではなく掛軸鑑定を依頼する方法もあります。ここで、査定と鑑定の違いについてチェックしてみましょう。

    • 買取における査定:物の価値を判断して価格を設定する
    • 買取における鑑定:作品の来歴について調査して保証する

    つまり、査定は買取ありきでの価格づけであるのに対し、鑑定は買取前提ではなく純粋に掛軸自体の価値を見極めるという意味合いで用いられます。

    査定は買取を前提としているため、無料でおこなっている鑑定士がほとんどですが、買取ではなく「鑑定のみ」となると鑑定料が必要になります。
    鑑定料には、次の3つが含まれているのが普通です。

    【鑑定料に含まれているもの】

    • 掛軸の真贋を調査する料金
    • 真贋を保証する証明書を発行するのにかかる費用
    • (出張の場合)出張料

    しかし、他店と比較して明らかに鑑定料が安い場合は「鑑定料」を純粋に調査料金だけとして、別途証明書発行代や出張料を請求する方式になっていることもあります。

    いずれにせよ店舗によって異なるので、鑑定を依頼する際は事前に料金体系をよく確認して申し込むことをおすすめします。

    掛軸鑑定で有名作家ものと判明、でもシミやカビはご法度!

    真贋、とりわけどのような来歴の偽物であるかによって、大きく査定額が変わってしまうことは先ほどご紹介しました。

    しかし、本物と鑑定された掛軸であってもすべてが高額というわけではありません。シミやカビによって掛軸が損なわれていると、大幅に査定額が下がってしまいます。
    もともと、紙でできている掛軸とは、劣化の危険に常にさらされているといっても過言ではありません。

    シミやカビ、紫外線による紙の変質は、掛軸の査定額を下げてしまう要因の中でももっともポピュラーといえるものです。掛軸は、仏教の伝来を後押しするために日本へ流入し、以後独自の文化として発展を遂げました。

    茶の湯で客人をもてなすものとして珍重され、江戸時代は庶民が飾って楽しめる浮世絵の掛軸がもてはやされました。現代でも、掛軸といえば「飾って楽しむもの」というイメージが強いことと思います。しかし「飾って楽しむ」という性質ゆえに時に褪色し、時に破れ、元の形を失ってしまうこともあります。

    シミは、ある程度のサイズならきれいに消し去ってくれる専門の職人がいますが、そのコストの分だけ、査定額は下げざるを得なくなります。難しいことですが、元の状態に近ければ近いほど、掛軸の価値は高まるのです。

    今手元にある掛軸をこれ以上劣化させないためには、次のようなお手入れが必要になるケースもあります。

    • 保管しっぱなしではなく、時折風を通す
    • ホコリや汚れを定期的に取り除く

    掛軸が複数ある場合、こうしたお手入れにはかなりの時間がかかります。乱雑に扱えば破損する原因になるため、丁寧にひとつひとつの掛軸をケアしなければならないからです。
    また紙は燃えやすいため、火事はもちろんのことタバコの灰が落ちたりすることのないよう、配慮しなければなりません。日焼けを嫌うため、風を当てている間も紫外線が当たらないよう、よく気をつける必要があります。

    そこまでお手入れするのは難しい、ということであれば、次に大事にしてくれる方へ譲れるよう、売却するというのも良いのではないでしょうか。

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