パイプの種類や材質、お手入れ方法について

アンネ・ユリエの買取

おしゃれな大人の喫煙具というイメージがあるパイプ。実はいくつもシェイプ(形状)があり、美術品、アート作品としても珍重されていることをご存知でしたか?

パイプの形状から歴史、喫煙方法まで、これを読めばパイプのすべてが分かります。

喫煙具としてのパイプ

傑作「ひまわり」を描いたゴッホ、コーンパイプを咥えたマッカーサー、パイプを片手に持つ自画像を描いた藤子F不二雄、オペラ「夕鶴」を書いた作曲家団伊玖磨。シャーロック・ホームズやムーミンパパといった架空のキャラクターも、パイプが魅力的なアイコンとなっています。

タバコよりもゆっくりと吸えるため、紳士の嗜みとして憧れた人も多いのではないでしょうか。

乾燥させたタバコの葉を詰めて火をつけ、ゆっくりと吸い込み煙を楽しむパイプは、明治〜大正期に日本に西洋文化の一環として流入しました。

タバコとともに健康問題が取り沙汰されるようになって、愛好家の数は減りましたがパイプを芸術品として愛でる層は一定数います。また、工芸品のようにオリジナリティあふれるパイプを作るハンドメイドパイプ作家、パイプを販売するブランドも世界に存在しています。

パイプの各部名称

浅利法生 ベントブランデーパイプ
パイプはボウルとステム、マウスピースの3つの部分から成ります。タバコの葉を詰めて火をつける部分をボウルといい、ボウル内部にはチャンバー(火皿)があります。

煙をマウスピースへと伝える管の部分をステムあるいはシャンク(煙道)といいます。

マウスピースは吸い口部分全体をさし、先端の口をつける部分はリップまたはビットといいます。リップの部分は咥えるのではなく、強く噛むようにして煙をふかします。そのため、リップ部分は歯に引っかかりやすい形状になっています。

ボウルの部分には紙巻きタバコ換算で3〜4本ほどが入ります。紙巻きタバコのような肺喫煙ではなく、口の中でふかすように楽しむのがパイプ喫煙の特徴です。

映画などでは、俳優がパイプを口にしながらモゴモゴ動かすシーンもありますが、吸い方ひとつで味わいが変わるため口の中で転がすように味わっているジェスチャーなのかもしれません。

材質と形状、仕上げで変わるパイプの種類

パイプ ゲルト・ホルベック 1250F
パイプの種類は、どのような材質でできているか、どのような形状で作られ、どんな仕上げ方をされているかでそれぞれカテゴライズすることができます。

材質:ブライヤー

ブライヤーとは、栄樹(エイジュ)と呼ばれる常緑樹の根で作られたパイプです。喫煙の味が優れているために多く用いられる、もっとも一般的なパイプの材質ですが、加工は難しいとされています。

木目が縦方向のパイプはストレートグレイン、横方向のものはクロスグレイン、パイプの周辺に丸く円状に木目が出るものはリンググレインと呼ばれます。

いずれの木目も喫煙の味に変化をつけるものではありませんが、美術的な観点からストレートグレインがもっとも高価になる傾向があります。

材質:海泡石

加工しやすい海泡石を使って作られたパイプはメシャムといいます。使い込んでいくうちに、白色から飴色に変化していく味わいが魅力で、加工しやすいことから複雑なフォルムに形が作られることもあります。

材質:ひょうたんやクレイなど

キャラバッシュ(ひょうたん)やクレイと呼ばれる素焼き陶器製のパイプも、少数ではありますが存在します。

ちなみに、マッカーサーの使っていたコーンパイプはその名の通りパイプ用のとうもろこしを使って作られています。ほかの材質よりは比較的安価で、長持ちする材質として知られています。

形状:クラシックシェイプ

多くの人がイメージする一般的なパイプの形状を、クラシックシェイプといいます。ステム(煙道)が直線状のものをストレート、曲線状のものをベントといいます。

また、ボウルの形状にもビリヤードやアップル、ポットなどさまざまな名称がつけられていて、これらを組み合わせて「ストレートポット」、「ベントビリヤード」などといいあらわします。

形状:フリーハンドパイプ

クラシックシェイプとは異なる現代アートのような斬新な形状を、フリーハンドパイプといいます。デンマークの作家がフリーハンドパイプを多く手がけています。

仕上げ:スムース

仕上げは、いずれもブライヤーに関して言及されます。スムースは、表面をなめらかに仕上げたスタイルで、木目が美しく出るのが特徴です。

仕上げ:サンドブラスト

サンドブラストは、木目を立体的に浮き上がらせるために粒子を吹きつける加工をいいます。

パイプの加工段階で小さなキズが生じた時に行う場合と、最初から木目の効果を狙って加工する場合とがあります。

仕上げ:ラスティック

ラスティックとは、表面に作家独自の模様を刻む仕上げ加工のことです。通常は木目の美しさが損なわれるためにあまり行われませんが、木目だけにとらわれない自由な形状を表現できる仕上げ方法です。

パイプ喫煙具を手入れするのも嗜みのひとつ

スベント・バング ハンドメイドパイプ
パイプは適切に取り扱って使い込むことで、その味わいを増していきます。手間ひまをかけることで喫煙を楽しみ、嗜みとしての喫煙具にパイプを昇華させているのかもしれませんね。

ブレーク・イン

ブレーク・インは慣らし吸いとも呼ばれる、パイプを購入してはじめに行うメンテナンスです。ブレーク・インは、チャンバー(火皿)にパイプタバコが酸化してできる炭であるカーボンを付着させるために行います。

ボウルの中に半分ほどパイプタバコの葉を詰め、タバコの葉を燃やし尽くすようにゆっくり吸うことを、カーボンが層を形成するまで5回ほど繰り返します。初めてパイプにふれる方は、パイプ喫煙の練習期間と考えて取り組むのもおすすめです。

喫煙後の拭き取り

パイプを吸った後のメンテナンスも重要です。吸った後の手入れは、パイプが完全に冷めたことを確認してから行います。

メンテナンスはパイプを分解して行うのですが、熱をもった状態でパイプを分解すると素材が膨張していて思わぬ部分が破損してしまうおそれも。

パイプは折れたり割れたりしてしまうと、修復自体が困難となるケースも少なくありませんので注意してください。

パイプを分解したら、付着した水分やタールを拭き取ってもう一度組み立てます。これをしておくと、次回に喫煙した時イヤな臭いに悩まされることがありません。

カーボン調整

カーボン調整は、ある程度パイプを使い込みチャンバー(火皿)に付着したカーボンが厚くなってきてから行います。

カーボンケーキとも称されるカーボンの層は、1〜2mm程度が良いとされていますが、これはパイプのシェイプや喫煙する人の味の好み、好む葉の種類によってもさまざま変わります。

そのため、試行錯誤しながらカーボンの厚みを変えてみると良いかもしれません。カーボン調整はパイプ専用の道具を使って、層を削って行います。

パイプはこうした手入れを丁寧に行うことで経年とともに味わいが深まり、変化を楽しめる本当の大人のための喫煙具です。一回の喫煙がゆっくりと数十分保てるという特性は、忙しい現代人に時間の豊かさを教えてくれるようにも思えます。

お手入れまでを喫煙のルーティンにしてしまうと、楽しみやすくなるかもしれませんね。

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