谷文晁

谷文晁(たに ぶんちょう 1763-1841年)は、初期の号を文朝、師陵とあらわし、後に文晁と改めました。ほかに写山楼、画学斎、無二、一恕という号も用いています。

文晁は、立身出世した祖父、漢詩人として名の知られた父をもって育ちました。
父の友人である狩野派の絵師加藤文麗に絵画の手ほどきを受け、その後渡辺玄対を師匠としました。

さまざまな絵画に興味をもち、古土佐、琳派、丸山派、四条派といった大和絵の各流派について、また朝鮮画、西洋画、文人画についても学びました。また旅好きとしても有名で、日本国内のほぼすべてを網羅するほどさかんに旅をしていました。訪れなかった場所は4〜5ヶ所程度ともいわれています。

後進の指導にも熱心だった文晁ですが、非常に鷹揚な性格ゆえか、弟子の作品にも自身の落款を押させるということが度々ありました。

貧しい弟子の作品に自身の落款を押させ、文晁作品と偽って売ることさえ黙認していたといわれています。そのため、後世の鑑定においては落款だけで文晁作と認めることは難しく、筆運びや構図など多角的に鑑定する必要があります。

谷文晁の掛軸は繊細に描き込まれた大らかな構図の作品が多く、27-38歳頃の作品は「寛政文晁」と呼ばれ、高く評価されています。なお、膨大な作品を描いたとされる48歳〜晩年に使われた落款が鳥の足跡に似ていることから、1811-1840年の作品は「烏文晁」と呼ばれます。

代表作は「青山園荘図稿」、「富山山荘図稿」などでこれらは重要文化財に指定されています。

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